シェルチェアの素材について

先日ネットサーフィン(死語?)を楽しんでいたら、イームズのシェルチェアについて説明をしている記事を見かけました。素材についての説明をしていたのですが、そのなかにABS樹脂製の特徴を書いていました・・・
この記事を読んで勘違いしてしまう人がいるといけないのでここでちゃんと説明しますね。

ABS樹脂製のシェルは正規品ではありません。

Herman Miller社のシェルには”GFRP”と”ポリプロピレン(PP)”製の二種類があります。
簡単にですが説明していきます。

わけ方としてはGFRP製がヴィンテージ、ポリプロピレン製が現行品です。
ヴィンテージと言っても80年代後半~90年前半までは作っていたのでヴィンテージと言うくくりで呼べないものもあります。
GFRPはGlass fiber reinforced plasticsの頭文字で意味はガラス繊維強化プラスチックのことです。

    
↑これがGFRP製のヴィンテージシェルチェアです。
ご存知ない方にはキズだらけの椅子にみえるみたいです。

     
↑アップで見るとこんな感じです。
よく見るとキズではなくグラスファイバーが詰まっているのが分かりますね。
この素材はとにかく丈夫です。頑丈。
なので何十年も前の物が普通に使えます。

   
年代によってグラスファイバーの含有量が変わりますが、まあそれは置いておきます。

   
↑そしてこれがおなじみ現行正規品のシェルチェア達です。
写真黄色すぎ。

   
アップで見ると若干ざらついて見えますよね。
ポリプロピレンは硬質で強度が強く、耐熱性に優れ、柔軟性もあり、吸湿性がない優れた汎用樹脂です。
丈夫なシェルチェアをつくるにはピッタリな素材なんですよ。
    
ポリプロピレンで最初に復刻したのはVitraだとか、製造終了年があいまいに書かれているとか、そもそも説明が適当すぎるとか色々突っ込みを入れたい人も居るかもしれませんが長くなりそうなのでまた今度。


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