ちょっと連日の長文での箸休めとして、今日は基本に立ち返って私が思うシェルチェアの選び方を書きますね。
Herman Miller社の現行イームズシェルチェアには素材が3種類あるじゃないですか。シェル部分の素材ですよ。
その素材の違いはどうチョイスするべきなのかを書いてみます。
その3種類は。
Herman MIller Japan HP引用 http://www.hermanmiller.co.jp/products/seating/multi-use-guest-chairs/eames-molded-plastic-chairs.html |
¥40,000(税別) ~
イームズプラスチックシェルチェアという名前です。
Herman Miller Japan HP引用 http://www.hermanmiller.co.jp/products/seating/multi-use-guest-chairs/eames-molded-fiberglass-chairs.html |
¥58,000(税別) ~
イームズファイバーグラスシェルチェアという名前です。
Herman Miller Japan HP引用 http://www.hermanmiller.co.jp/products/seating/multi-use-guest-chairs/eames-molded-wood-chairs.html |
¥82,000(税別) ~
イームズウッドシェルチェアという名前です。
これらの素材です。
いざ自分がシェルチェアが欲しいな!となったときに、どれを買うべきなのか。
まあ簡単な答えは予算ですよ。
値段がご覧の通り全然違いますので、自分に合わせた予算で選べば良いです。
でも、うちのお客さんに多い傾向なのが、値段じゃなくて好みで決めたいという場合です。
私もよく「もし値段が一緒ならどれが欲しいのか」ということはシェルチェアに限らずどんな家具にでも言います。
でもそれには、判断材料が必要です。
素材は違うのが、どういったストーリーがあって、どうして存在するのか。
それを知らないと、そもそも好みにたどり着けない。
何を判断にして自分の好みに合うかがわからないということです。 これ伝わります?
私が思うにこうです。
ポリプロピレン製(以下PP)ですが、これは復刻したシェルチェアにしか存在しない素材です。
もともとイームズのシェルチェアはハーマンミラー社で1949(48)年から製造販売されていたものです。最初はゼニス社で製造ですよ。
それを80年の終わりまで、続けていました。その時の素材はガラス繊維の入った強化プラスチック、いわゆるGFRPという素材でしたよ。90年の初めまでは売ってました。
ただまあこれが、環境に良くないよね。なんてことで製造を辞めまして、長らくハーマンミラー社ではシェルチェアを販売してなかったんです。
それからシェルチェアを最初に復刻製造したのがヴィトラ社だったんです。
それが2002年ぐらいだった気がするのですが、その時に素材をPPにしたんです。
パントンチェアとか他の家具でもPPにしたのが多かったですね。
その時のカラーですが、50年代からあるようなカラーをPPで再現した感じでした。
後に2010年からはハーマンミラー社は自前でPPのシェルチェアを製造販売するようになりました。
2010年でしたよね・・・?
今ではペールカラー、つまり淡いカラーが多く、カラバリも豊富です。カラーチョイスも過去に存在した色を踏襲せずに、現代のニーズに合わせた色合いが特徴です。
素材と相まってナチュラルな空間にも合わせやすい素材だと思います。
イームズの椅子だからと言ってアメリカンミッドセンチュリー感に薄いので、イームズは好きだからシェルチェアは欲しいけど、北欧テイストに合わせたいとか、現代的な空間にしたいとか、薄めの木の家具に合わせてライトな部屋にしたいとか、そんな要望の場合はPPだと思います。
ファイバーグラスシェルチェア(以下FRP)ですが、これは2014年に復刻した素材です。
先述の通り過去にFRPで製造を辞めた経緯があっての復刻ですが、今回はリサイクルできる環境に配慮したFRPというのが売りです。
だから厳密に言うとヴィンテージに存在するようなFRPとは全く同じ素材ではありません。
このFRPはヴィンテージで存在した素材ということを意識していますので、カラーもヴィンテージに存在するカラーを踏襲しています。
当時のシェルチェアにあったカラーを再現しているんです。
だから最近では見ないような結構きつめの色合いです。オールド感があります。
だから、これ単体で置いてあると、まさにイームズのシェルチェア!アメリカンミッドセンチュリーの象徴という感じがします。
私としては馴染みがある素材はこちらです。
FRPは存在感が違いますよね。主役感があります。
濃い目のダイニングテーブルや空間に合わせると、渋くなり、まさに格好良いと呼べる空間となります。
さらにこの素材は経年劣化が味になるということがあります。
傷がついても日焼けしても、それが味です。使い込んでいく楽しみ、長年の変化を楽しむならFRPですね。
それからヴィンテージの物が好きな人や、イームズ自体が好きな人、重厚さを求めたりする人にはこの素材です。
ウッドシェルチェアはプライウッド、成型合板ですね、これは2013年に新発売した素材です。
ヴィンテージでは存在しません。
昔、構想はあったんですよ。
イームズさんは、シェルチェアを成型合板で作りたかったんです。
でも当時の技術ではこの形を作ることはできませんでした。
試作品はいくつも残っているんです。
それがとうとう実現したわけです。60年越しです。
ハーマンミラー社の3D合板技術で生まれたわけです。
完全にシェルチェアの形を再現しています。これすごい。
それでいて他のシェルチェアと同じ保証期間5年を実現しています。
もうこれはですね、見た目の素敵さで選ぶものだと思います。
単純に見た目とクオリティで優秀な椅子です。
木の椅子としてこのデザイン性の高さ、座り心地の良さ、配色やバリエーションの多さ、そして値段。どれをとっても優秀です。
だからイームズとかハーマンミラーとか抜きにしても評価されます。
木が好き、でもイームズの椅子が欲しい。でもプライウッドチェアがクラシックなデザインすぎて部屋に合わない。という場合はこのウッドシェルです。
例えば夫婦でかたや北欧が好きでナチュラルな木の色の家具で統一したい、かたやイームズのシェルチェアが好きで欲しい。そんなときはウッドシェルチェアのホワイトアッシュにすると折り合いが付きますよ。
元をたどるとイームズさんもアアルトさんの影響を受けているので、その部分はスカンジナビアンと繋がってはいるんですけどね。
ウッドシェルはそうしたことに魅力を感じると良しです。
以上、あくまで私のこの時思いついた走り書きの偏見です。
なんか1mmぐらいは参考になると良いですね。
お店ではもっとちゃんと提案できますよ。
本来こういったことは、お客さんの求めるものや望むものをヒアリングして、こちらからいろいろ提案したしたりするものですから。
case study shop nagoya
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HP : http://www.casestudynagoya.jp/
TEL : 052-243-1950
MAIL : info@casestudy.co.jp
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