イームズシェルチェアはどうして作ったのか 2017/6/4

どうしてイームズ夫妻はシェルチェアを作ったかご存知ですか?


この写真はHerman Millerの現行品ですけど。あとHerman Miller Japan HPより。
このファイバーグラスのシェルチェアです。

MOMA主催のローコストデザインコンペにコンペで賞を受けたということなのですが、もともとチャールズさんは、アルミニウム一体成型の案で出していました。
だから最初からFRP(ガラス繊維入りプラスチック)ではなかったんです。



イームズ夫妻はLAでレッグスプリントの製造をしていた成形合板(プライウッド)技術と資金を生かして家具作りを始めました。

40年の前半のことですが、このレッグスプリントを製造していたプライフォームド・ウッド社のころから家具自体は発表しないまでも、たくさん作っていたそうです。



イームズ本カメラ直撮り
それで1945年にニューヨークで展示会をしたのでDCMやLCWといったプライウッドチェアです。上写真のですね。
レッグスプリントを作りつつ家具を作っていたものが、ここで公で発表されたわけです。


そのうえで1948年のローコスト家具コンペです。


「ニーズに合わせて用途を変えて身体に合わせて使用することが出来る椅子」というコンセプトのもと、背と座が一体になっているアルミニウム一体成型にチャールズさんはしたかったそうですが、高価格過ぎるということで、助言があり当時まだ新しい技術であったFRPを素材として採用されました。

そりゃあアルミなんかで造ったら全然ローコストじゃないですからね。



そうして作られたのが、あの、いつものイームズシェルチェアです。


1948年にゼニス社にて製造され、現代では環境に良いFRPと素材を変えて販売を続けられているわけです。


イームズ本カメラ直撮り

ところで。背と座が一体成型ということで、プライウッドでの製造もしていました。
これらはすべて試作品で、実際に製品化はされませんでした。当時の技術的に無理ということでしたよ。


2013年にハーマンミラー社から製造販売されることになったウッドシェルチェアは、いうなればプロトタイプの製品化ということですし、これはイームズ夫妻理想のシェルチェアとも言えます。


 一つ一つの製品には多くのストーリーがあるものですよ。

知ってもらいたいです。


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