さっそく一昨日のシンポジウムの話を交えながらイームズハウスの今について書きますね。
まずイームズハウスはロサンゼルスのパシフィックパセリーズにある1949年に竣工されたcase study house#8のことです。
この話は以前書いた内容を参照にしてください。
チャールズ&レイ・イームズ夫妻は1949年の12月24日に引っ越してきました。
歴史的にも価値のある素晴らしい建築ではあるのですが問題は築年数です。
なにせもうすぐ70年という月日が経っており、各所に老朽化が見られ現存が難しい状況に以前からなっていました。一時期は立ち入り禁止なほどの状態でした。
そこでこのイームズハウスを長期間保存するために始まったのが「250年プロジェクト」です。
イームズ財団とゲティ保存修復研究所によるイームズ再生と保存に向けた取り組みは2011年から始まりました。
イームズ夫妻のデザイン思想や暮らしぶりについて、後世に渡り「本物に触れて理解することができるようにする」というコンセプトで、ランドスケープ、建築、室内の備品、無形の資産など敷地含めた全体に対して長期的視点に立った保存修復が行われています。
簡単に説明しますと、老朽化したイームズハウスや敷地の植物や室内の家具から何でも全部250年後まで保存できるようにする!ということです。
そうして始まったプロジェクトはフローリングの全張替えから屋根の修復から温度調節までなんでも長期保存できるように変えています。
もちろんオリジナルを忠実に再現できるように素材の捜索から手間暇をかけています。
それでもオリジナルとは違ったものになってしまうのですが、それに関してはチャールズさんの過去の言葉があり、彼は「それが良くなるのであればOK」ということなのでイームズ夫妻の意志を継いでいます。
250年の由来ですが、建物脇に生えているユーカリの木の寿命からの年数です。
ただ実際には250年もユーカリの木は生きないそうなのですが、長く残る気持ちを込めての250年プロジェクトです。
イームズハウスは植物込みで完成しています。
まだまだ道のりが長いですが、いつか全ての作業が完了するときが来るでしょう。
そのためにイームズハウスを愛する人たちができることはイームズファウンデーションのファウンデーション用のグッズを買うこと、現地に行くとか募金とか、イームズ製品(ハーマンミラーorヴィトラ)を買うことでしょうか。それから、こうした試みがあることを広く周知してもらうことですね。
ところでイームズハウスに関した話で私の一つの疑問が一昨日のシンポジウムで解消されました。
それは「イームズハウスの内装はいったいいつから変更されていないのか?」です。
答えは「レイさんが亡くなった1988年のまま内装を変えていない」でした。
つまり、内部の家具やレイアウトに関してはイームズ夫妻の感性がそのまま残っているということです。
ということで、イームズハウスに興味がある人はぜひ行ってみてください。
case study shop nagoya
愛知県名古屋市中区栄3-33-28 Uビル2F
TEL : 052-243-1950
MAIL : info@casestudy.co.jp
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