Herman Miller A Way of Living P.53 |
すごいですよね、現代の椅子に見えますけどもう80年前の椅子です。
それにデザインをしたのはニューヨークの家具デザイナー「ギルバート・ローディ」さんです。
ギルバート・ローディさんは1930年からハーマンミラー社にて家具デザインや会社の方針の提案をしていたデザイン部門のリーダーであり”ハーマンミラー社の哲学”と言われるほど重要な人物でした。 (1944年に亡くなることでジョージ・ネルソンさんに声がかかります)
そんな彼がRohm&hassのためにデザインをしたのがこの椅子です。
ガラスに見えますがプレキシグラスを使っています。
プレキシグラス(Plexiglas)はアクリル樹脂のことです。
1930年前半に生まれた素材で、プレキシグラスという名前自体はドイツの会社の商標です。
この時代にすでにアクリルを使った流線型のスケルトンな家具は存在したんです。
先見の明がありますよね、いまこういったアクリルや樹脂を使った椅子は現役でマーケットも活発です。
Herman Miller A Way of Living P.53 |
脚がアクリルのテーブルがあると思ったらこういった経緯で作られたんですね。
ガラス天板にアクリルの脚のダブル透明テーブルは当時では相当な革新的なデザインだったことでしょう。
なにせ全部透明ですから。それまでの金属と木材が当たり前の家具から考えると実現不可能なデザインです。
ちなみに、時代的にハーマンミラー社もプライウッド製の家具はまだ製品化されていません。
イームズプライウッドチェアも製品化は1946年のことです。
だから合板での家具自体も少なかったでしょうね。
合板の家具自体はもっと以前にありましたよ。
アルヴァ・アアルトさんのパイミオチェアとかありましたから。
イームズ夫妻はアアルトデザインの合板家具を参考にして合板の家具を作ってもいたんですよ。
そのイームズ夫妻のプライウッドチェアを見て、今度はまた北欧のデンマークに戻ってアーネ・ヤコブセンさんが合板のアントチェアを作ったわけです。
話が色々散らかったのですが、こんな椅子もありましたよって話でした。
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