それにしても良い色に経年変化していますね、このヴィンテージのネルソンベンチ。
このヴィンテージのネルソンベンチはバーチ材が使われていますが、現行品はメープル材です。
ハーマンミラー社は1967年にベンチの製造は終了しました。それから「Herman Miller For The Home」の開始によりこのネルソンプラットフォームベンチも復刻し素材をメープルに変更して現在も製造販売しています。
ところでHerman Miller For The Home(ハーマンミラーフォーザホーム)とはなんぞやですよね。
1994年からハーマンミラー社は再び家庭用家具の製造販売に力をいれて入れることになりました。
そこで名付けられたラインと呼んだら良いのか何とも言いづらいのですが、とにかくそれが”ハーマンミラーフォーザホーム”です。
これにより40~60年代のプロダクトが復刻され、このベンチももちろん、ストレージユニットやチルドレンチェアとかネルソンのテーブルとか、多くの名作が再始動しました。
同時に新デザインの発表も行い、家庭にもハーマンミラー社の家具がまた使われるようになりました。
1994年といえばアーロンチェアの発売年でもあるので、後の影響が大きい年ですね。1994は。
現在のハーマンミラー社のイメージからいくと、イームズ製品とかネルソン製品が当たり前にある感じがするでしょうが、フォーザホーム以前はヴィンテージ品しか存在しないのが当たり前だったんですよ。
で、その時にハーマンミラー社の復刻品をリプロダクトやレプリカって読んでいたみたいです。
いや、私はその時代を経験していないのですが、その時代にハーマンミラー製品に携わっていた人や販売していた人によるとと、当時の雑誌とかにはそうやって書いてあるんですよ。
今はマイナスなイメージがあって、模造品に意味がとってかわられてしまったので使わないようにしていますね。
ハーマンミラー製品は”正規品”とかオリジナルと呼んだりしますけど、”オリジナル”はちょっと私は違うかなって思います。
私的に”オリジナル”と聞くと40年代とか50年代当時の製品のことを指しますかね。
現行メープルのサンプルチップ |
ハーマンミラーの家具じゃないんですけど、60年代のメープルの家具とかこんな色になっていますし。もっとすごいかも。
そういうことでは今回のネルソンベンチは年数にしては色の変化が少ないかもしれません。(それが状態の良さでもあるんですけどね。)
実際、目黒美術館で開催されたジョージ・ネルソン展の時に展示されていたベンチは相当な濃さになっていましたし。やっぱり飾ってあるのは照明が半端ないので変色しやすいですね。お店に展示するのも気を付けないと。
このヴィンテージ品も良いのですが、今新品で購入した人はいずれこのぐらいまで経年変化するのを楽しめるわけですね。50年ぐらいは生きないといけませんけど。
もしくは壊さなかったらですね。壊したら元も子もない。
壊さなかったらも重要ですが、処分しなかったらも大切です。
いくらなんでもハーマンミラー社のネルソンベンチを捨てるってことは考えづらいので、持っておける限りは持っておくと思います。
手放すことはあるかもしれませんが、手放した人がいるから60年も前のベンチがここにあるんですよ。
巡り巡ってバトンを繫いでいくみたいなもんですね。
マロン。違った、ロマン。
case study shop nagoya
愛知県名古屋市中区栄3-33-28 Uビル2F
TEL : 052-243-1950
MAIL : info@casestudy.co.jp
0 件のコメント :
コメントを投稿