ピエール・ポランF031デスクのストーリーと日本で作ってますよ


F031デスクですが。
このデスクは日本で製造されています。ちゃんとピエール・ポラン財団のライセンスを得て正式に復刻したものです。
もはや意外だと思う人たちが多いかもしれません。日本で製造しているのが。
どうしてそうなっているのかですよね。


価格や仕様はこちら http://www.casestudynagoya.jp/SHOP/pierrepaulun-f031desk.html
このデスクが復刻販売されたのは2003年のことです。
手掛けたのはメトロポリタンギャラリーさんで、同社の初めてのロイヤリティ生産家具でもあります。
それまでの同社は2001年からのビーライン社を筆頭にしており輸入ビジネスが主体となっていました。


F031デスクのオリジナルは1956年からトーネット社より製造販売されていました。
販売されたのは10年ほどと短い期間のみでした。 (たぶんこのデザインが世の中に早すぎました)


そんなデスクのオリジナルヴィンテージ品を同社の下坪代表が96年ごろにパリのアンティークショップで発見して購入しておりました。

それから時は経ち2002年。この時に彼の札幌でのお店の名前を「METROCS」に変更します。ここからメトロクスという名称が使われます。

その時にあのデスクの復刻生産を計画します。
そこでポランさんの連絡先をなんとか見つけ、パリの弁護士と協議協定の為に下坪社長と同社に関係が深いAさんとともにパリへ向かいました。

製作したメトロクス製F031デスクの出来栄えをポランさんは絶賛し、ポランさんの自宅で正式に合意になったそうです。

復刻にあたり「ポラン氏のサインを製品に入れたい」という要望に、「引き出しの中ならOK」ということで受け入れられました。


ちょうど2003年というとメトロポリタンギャラリーさんが東京に進出してきた年でもあります。
同社にとって多くの転機があった年でしたね。下坪社長が独立して11年目の時です。


こうして復刻発売から15年目の今日までも同社の人気家具となっています。
ポランさんのデスクを日本で正式に復刻製造するという判断は相当なことです。やろうと思ってできることじゃありません。しかもこの日本で普通じゃないです。(褒め言葉)

ピエール・ポランさん自身は残念ながら2009年にお亡くなりになっています。


私はたまにこのF031デスクのことを”プチデスク”と呼ぶのですが、最近ではめっきり使われなくなった愛称です。

5,60年代のフランスの家具市場ではこのデスクのサイズは一回り小さかったのです。昔の資料を見たりするとわかるのですが、当時は結構大きなデスクが見受けられます。
もともとポランさんもこのデスクは個人向けとしてデザインしたそうで、コンパクトに使えるデスクということで”プチデスク”あるいは”プチビューロー”と呼ばれていました。


ただ、現在の日本ではプチじゃないデスクなのでもうこの愛称が使われなくなりましたね。
5、6年前ぐらいまでは普通に通じていた気がします。


どうです?皆さんのデスクに対する魅力が上がったんじゃないでしょうか。


お店の価値、そして私の価値は、デザイナーや製造者に代わって、皆さんに価値をちゃんと伝えることでもあります。


一つの製品でも皆さんに伝えることがこれだけありますから、製品1つ1つに本当に多くのストーリーが存在しますよ。


case study shop nagoya
愛知県名古屋市中区栄3-33-28 Uビル2F
TEL : 052-243-1950

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